田口風子句集 第三句集
『 雀 色 時 』

帯文 加 古 宗 也
栞 中 村 雅 樹
櫂 未知子
風子さんの俳句は自由である。
そして、温かいのがうれしい。
(加古宗也帯文より)
自選十五句
竜天に登る途中の摩崖仏
初蝉の草の中より鳴き始む
逃げ水を追ひ義仲寺を通り過ぐ
生身魂二人印伝袋提げ
秋風鈴鳴る髑髏町一番地
黒南風や幽霊飴屋にも日曜
指輪二つ並べしままや星祭
大道芸火を吹くエイプリルフール
麦熱るるまで兄とゐし四姉妹
紐引けば涼しく木偶の笑ひけり
初泣きの子や人形の靴失くししと
下駄箱に来て口遊む卒業歌
たつたこれだけの雪の雪だるま
姉川も妹川も曼珠沙華
七五三抱かれて父の手に木覆(ぼくり)
ふらんす堂