新 刊 田 口 茉 於
句集 付 箋
帯文 加 古 宗 也
栞 石田郷子
自選十句
みどりごの欠伸のひとつづつに蝶
子を立たす眩しき場所や冬の森
夜の蝉と淋しいと言ひ泣きし子と
秋の日と思ふトンネル抜けるたび
たんぽぽを踏まぬやう母と離れぬやう
どの窓も寝息正しき星祭
しんと夜長饅頭は鞄の底
西瓜切り分ける大人になってゐる
稜線にしまはれてゆく御元日
日の当たるところ菜の花匂ひけり
ふ ら ん す 堂
自選十句
みどりごの欠伸のひとつづつに蝶
子を立たす眩しき場所や冬の森
夜の蝉と淋しいと言ひ泣きし子と
秋の日と思ふトンネル抜けるたび
たんぽぽを踏まぬやう母と離れぬやう
どの窓も寝息正しき星祭
しんと夜長饅頭は鞄の底
西瓜切り分ける大人になってゐる
稜線にしまはれてゆく御元日
日の当たるところ菜の花匂ひけり
ふ ら ん す 堂